アガベの水やりについて

アガベの水やり

この記事ではAgaveの水やりの方法とポイントについてお話ししていきます。

アガベの育成方法の中で最も諸説があり定義が難しい項目となりますが、それぞれのご自宅の管理環境(日当たり、風通し、気温、用土の選定や棚の高さ)が異なる為、こちらのページを参考にしながらご自宅の環境に合った水やりペースや方法を見つけていただけたら幸いです。

基本的な水やりの方法

まず大前提としてですが、アガベは乾燥地帯が原生地の植物ですので、乾燥には強い性質があります。
子株等や発根出来ていない小さな株は、自株に水分やエネルギーを貯めておけない為、あまりにも水やりを怠ると枯死してしまう事もありますが、多くのアガベは土から抜かれた状態で輸出され、その環境でも枯れずに運ばれてきます。

多くの愛好家の方々は一度は体験していると思いますが、水やりを怠って枯らすことよりも、水をあげすぎて根腐れしてしまったり、徒長させてしまうなどトラブルを起こすが多いです。

水やりの頻度やタイミングに気をつけて管理していきましょう。

休眠期(冬季)以外は、土がしっかりと乾いたら鉢底の穴から水が流れ出てくるくらいたっぷり与えるのが基本的な水やり方法になります。

休眠期は株が成長を止めている状態なので、水をたくさんあげるのは控えましょう。
根が乾燥しすぎて死んでしまわないように月に一回程度を目安に土の表面を湿らすようなイメージで水をあげて下さい。
良く冷える日に水をたくさんあげてしまうと、夜の冷え込みで根本から冷えたり、葉が濡れた状態で株が冷やされてしまうとコールドダメージが出たり株の調子を崩す事があります。
水を切り、株の中の糖度を高めた方が寒さに耐えれるという説もありますので、休眠期の水やりは株にとってプラスにならない事が多いことを理解した上で水やりを行いましょう。

水やりのタイミングと状態の見極め

アガベの水やりに適した時間帯としてお勧めしているのが夕方から夜になります。
朝や日中に水やりを行った場合、鉢の中がしっかりと水分を含んだ状態で太陽光が鉢に当たりますと鉢がかなり熱を帯ます。
すると鉢の中に含まれた水分が蒸発し、株自体を蒸らすことになります。
アガベは蒸れを嫌う植物なので、元気だった株が蒸れによって一気に調子を崩す事もしばしばありますので、気温が上がる事がわかっている日の水やりには注意しましょう。
(※特に夏期の気温の高いよく晴れた日は要注意です)
葉に水分を貯めておける植物ですので、水を切らした状態でも一気に枯れることは少なく、長期間水を与えずにいた場合に、葉の裏にシワのようなすぼみが出てきた場合は水が足りていないサインですので、沢山お水をあげて、またしばらくは水やりは控えて下さい。(未発根株は例外とし、葉が枯れてない場合はシワが無くなり、元気な葉に戻ります)
沢山水をあげて成長することよりも、手をかけすぎて根腐れさせてしまったケースの方が多く耳にします。
アガベは水をあげ忘れていても元気に育ってしまうケースも多々ありますので、ご自宅の日当たりや風通し状況によって水やりの頻度を調整して下さい。
春夏秋冬で、水やりの頻度が変わりますので、次項の季節ごとの管理についても是非ご覧ください。

季節に合わせた水やり方法

【 春 】
土がしっかりと乾いたらたっぷりと水やりをします。

中までしっかりと乾燥しているかどうか確認したい場合は、割り箸や竹串を土に挿してみて、抜いた時に湿った土がついてこなければ大丈夫です。土の表面が乾いていても、中まで乾燥していない場合があるので気をつけてください。

【 夏 】
春と同様、鉢の中までしっかりと乾き切ってから水やりをします。
ただし湿度の高い梅雨の時期は乾燥しづらくなるため、土が乾いているかしっかり確認して水やりの頻度を調整してください。
また日中に水やりすると気温が上がって鉢が自体も熱くなった結果鉢内の水分が蒸発し株が蒸れてしまう恐れがあります。
気温が涼しくなる夕方〜夜の時間帯の水やりを推奨します。

【 秋 】
春と同様、鉢の中までしっかりと乾き切ってから水やりをします。
寒くなると休眠期に入るので、気温が10℃以下になったら徐々に水やりの回数を減らします。

【 冬 】
冬の間休眠期に入るため、基本的に乾燥気味にします。
比較的気温が高い昼間にする水やりを、月に1〜2回程度します。
気温が0℃を切る場合や夕方以降に水やりをすると根が傷む原因になるので気をつけてください。

先にも書いたように、アガベは乾燥には非常に強い植物です。
多少水やりの頻度が足りなくとも、すぐに枯れてしまうことはありませんので様子をみながら水やりをしてあげてください。

水やりのかけ方など

基本的には葉をよけて土に直接かける形で水やりをします。

ですが、ときどき株全体にシャワーのように水をかけてあげると、埃などの汚れを落とすことができると同時に、乾燥を好む害虫の予防にもなります。

ただし白粉のある品種の場合は、水圧の強いシャワーをしてしまうと白粉が剥がれてしまったり、シミができてしまうことがあるので気をつけてください。

またシャワー後は、歯の上に残った水滴が菌の発生や育成上のデメリットになってしまうことがありますので、軽く拭き取ってあげるかストローやブロワーなどで水滴を吹き飛ばし、葉の上に水滴が残さない事をお勧めします。

手間をかけたく無い方は、葉に直接水がかからないように水をあげて下さい。

またお勧めの水あげ方は、鉢の上側からお水をあげる場合土の上側まで水が上がってくるまでお水を入れて下さい。
鉢底から水が出なくなるまでスノコの上や水切れが良く、風通しのいい場所でしっかりと水を抜いて下さい。
上まで水を入れる事で鉢底から水が抜ける時に新しい空気が土の中に入り込みます。
新たな酸素が入り込む事でより土の中が植物にとって快適な状態になります。
(風通しが良い場所に置いたり、鉢底から風が入る状態にすると根腐れの予防や発根促進にもつながります)

土に直接水をかけず、バケツやタライに水を貯めて鉢のまま水につけて水やりをする方法もあります。
こちらはかなり時間もかかるので一部の趣味家さんが徹底した管理の元やられている手法という認識ですので、ご自宅の環境にあった水やりで育成を楽しんで下さい。

土が乾燥しているかどうか見極める方法

使用している土にもよりますが、表面が白っぽくなってきたら乾いてきた目印になります。
表面のみ乾いていても、実は中はまだまだ濡れている事がありますので、土全体が乾いているかという観点で確認を行なって下さい。
鉢の上側からだけでなく、鉢底から覗き込み、鉢底石や底側の土が濡れていないかを目視すると全体が乾いているかの確認が行いやすいです。

また水やりすると土が水を含んで重くなるので、鉢を持ち上げてみたときの重さで乾燥しているかどうかも判別できます。
水やりする前後で鉢を持ってみて、重さの違いを確認しておくことをオススメします。
(陶器の鉢ですと鉢自体の重さもあり判別がしにくいので、計りを使って管理する事も可能です)

この他の方法として、割り箸や竹串などを土に直接挿してチェックすることもできます。
割り箸を抜いた時に湿った土がついていなければ乾燥している証拠です。
(挿しこみする際に根や株を傷つけないよう気をつけて下さい)

土の乾燥具合を教えてくれる水やりチェッカーのようなものもあるので、そういったアイテムを使ってあげるのも良いです。 

用土の種類、置き場や品種の特性差により管理方法が異なります。
あくまで目安としてご参考くださいませ。

最終更新日:2022年3月7日