アガベの育成方法について

こちらの記事ではアガベの基本的な育成方法についてをご紹介します。

< アガベを育ててみる>

アガベの育て方は品種ごとに若干管理方法が異なります。

アガベの中でも葉焼けしやすいものや、成長速度が遅いもの、低温に弱いもの、蒸れに弱いものなど、それぞれの品種に特徴がありますので、その株の特徴を掴み、管理方法を整えることで形を崩さずに良型のまま育てる事が出来ます。

日本国内でも育成する地域の気候、室内か室外か、置き場の日当たり状況、風通しが良いかなどの環境によって管理方法が変わっていきます。

元気に育てるだけでなく「かっこいい形のままキープしたい」「大きく育てたい」という方々は、より深い知識と管理の手間、設備や考察が必要となります。

より細かい管理方法や品種に合わせがお勧めの管理方法については別の記事で補足していけたらと思っておりますので是非そちらを参考にして下さい。

この記事ではアガベを「元気に育てる」事をポイントにして基本的な管理方法をまとめていきたいと思います。

育成法には諸説ございますので、ご自身の育成場所と照らし合わせて参考にして頂けたら幸いです。

<徒長に注意、直射日光は当て方に気をつけて >

この項目では光の当て方について記載していきます。

アガベは元々暑い地域に自生しており、陽射しを好む性質を持っています。
光が足りない環境で育てていると、葉が長く間延びしたり、型が崩れる徒長(とちょう)という現象が起きます。

一度徒長してしまうと、短く戻すことは出来ません。

元気に育つために植物自身がもつ現象ですので、徒長が起きても株自体は元気に育っていますが、型の良さを保とうとする方にとって避けたいものです。
西日がよく当たる場所も徒長しやすくなる要因と言われていますので、日中の日当たりが肝心です。

光を好む植物であるという特性がありつつ、未発根状態での直射日光は葉焼けや株の枯死(こし)につながりますので注意が必要です。

植え込み直後や、暗めの場所で育てていた株を明るい場所に移す場合は、一気に直射日光の場所に移さず1週間ほど半日陰のような場所に置いてから段階を踏んだり、遮光シート越しで育成等の光量の調整を行なって下さい。

少しづつ太陽の光に当てていき慣れさせる事が大切です。

品種によっては葉焼けしやすく直射を嫌うものがありますので、直射の当たる時間が短い場所や、明るい日陰、遮光シートの利用で光量を調整するなどして管理される事をお勧めします。

< 置き場は明るく風通しの良い場所 >

アガベを育てる環境として好ましいとされているのが、日当たりと風通しが良い場所とされています。

日当たりについては前項で記載しましたが、この項では置き場所として好ましい環境を記載していきます。

■室内の場合
日当たりが確保出来る風通しの良い場所をお勧めします。
屋外に比べ、室内でネックになりやすいのが光の確保と風通しの確保です。
窓際ですと長時間日光が当たる環境が作りやすく、窓を開ける事で風が通り株が元気に育ちやすい環境を作りやすいです。
風が通らない場所だと土の渇きが悪く、根腐れなどのトラブルが起きやすくなります。
用土のチョイスも屋外管理よりも乾きやすい配合をお勧めします。

室内のメリットとしては温度管理がしやすい事と、常に目が届きやすい環境になるので管理や行いやすい事。
デメリットとしては水があげにくい事と、日当たりと風通しを人工的に作らざるえない場合が多い事です。

■屋外の場合
屋外で管理をする場合、軒下などの雨が当たらない場所をお勧めします。
室内に比べて風通しが良い環境になりやすく、直射日光で鉢が温まりやすいので土の乾きも室内よりも早い傾向です。
水やりの頻度についてはご自宅での用土の渇き具合に合わせて調整を行って下さい。

メリット
デメリット

直植え等の場合、雨等の対策として水はけが重要になりますので用土を軽石等の保水力の少ない用土中心にする等考慮が必要です。
品種と用土の選択次第では、地植え、鉢植えに限らずアガベは雨ざらしでも元気に育ちます。
ですが雪に関しては、耐寒性の弱い品種や、調子を崩した株に雪が積もりますと凍結等によるコールドダメージで株が駄目になってしまいます。

気温が5度を切るような季節になりましたら、宅内やハウス等の温度が保てる場所での育成をおすすめします。
直植えの場合はカバーを被せるなどの対処でコールドダメージを緩和出来ますので、寒さや雪対策を行なって下さい。
(日本国内の寒冷地での屋外での育成についての情報もございますが、寒冷地では基本屋内での育成を推奨致します)
日本での育成において冬季は基本的に休眠期となりますので、株の成長が止まったタイミングで過剰な光を与えると葉焼けが起きたりと思わぬトラブルが起きます。(室内管理で温度を保てると冬季でも休眠に入らず育成が可能になります)
冬季の室内管理でも光を近づけすぎたり、室内用の育成ライトのご利用の場合でも株の調子と照らし合わせながらベストな距離や角度を見つけていって下さい。

風通しが良い場所に配置をしますと、鉢の中の空気の循環による根腐れの予防や、
葉に風が当たることで植物自体の代謝を高めたり、光合成を促したりとメリットが多く、常に風の無い場所で育てた植物との明らかに育成差が生まれます。
サーキュレータ等をしようし、空気が動く状態を作る事は重要な要素と言えます。
鉢の下に風が通る状態を作ることで鉢の中の用土の乾きを促進したり、鉢の中の酸素を増やせたり良いこと尽くしです。
メッシュの棚に置くことや、スノコの上に置いたり、より鉢の中が乾きやすい状態になる事を意識していただく事をお勧めします。

また育成場所の気温を高めに保つことで発根が促進され、根がしっかり張った結果株が元気に育ちます。
簡易のビニールハウス等を使用する場合は、予想以上に温度が上がりすぎる場合がありますので、温度計での管理を行い、蒸れや葉焼けによるダメージが起きにくいように遮光シートによる日光量のコントロール、換気での温度調整も行なって頂くとトラブルが起きにくいです。

どうしても日当たりが確保できない場合は、前記にもありますように日光に近い植物用のライト等も流通しておりますので、室内で光を当てての育成も可能です。

鉢自体の温まり方が違いますので、日光最強説がありますが、安定した光量による育成と、冬季管理の手段の1つとしてお考え下さい。